2014年8月17日日曜日

日本一の桃とぶどう

今年もやってまいりました、この季節。

日本一美味しい桃とぶどう、それは岡山から届きます。

今年も頂きました。本当に有難うございます。

岡山県産「清水白桃」、そして「もも太郎ぶどう」。
私はフルーツの中で一番好きです。


本当に、いつも有難うございます。
いつか、その日が来たら、
必ずご挨拶に参ります。

いつになることやら・・・

2014年8月15日金曜日

玄倉川

毎日暑いので、泳ぎに行って来ました。

子どもの頃、家の近くの川で良く遊んだなぁ。と昔を懐かしみながら河原を歩いていました。
大きな石で囲いを作り”温泉”といって浸かってみたり、
深いところで飛び込んであそんでみたり。

子どもの頃、楽しい!って思ったことは、大人になっても楽しいもので。


途中でこんな迫力のある滝も出てきます。
登りませんが、見に行くだけ。


深い所があれば飛び込み、
ウォータースライダーできそうな所があれば滑りこむ。
まるで子どもがそのまま大きくなったような大人達。


それでいいじゃないかと思います。
そうやって遊ぶ楽しさを伝えていきたいものです。

2014年8月10日日曜日

憧れの双六~笠ヶ岳

仕事を終えて自宅に帰り、前夜まとめきれなかったザックの荷物整理を済ませ、
日付けがかわる少し前、岐阜県新穂高温泉へ向けて出発した。

思いのほか道中眠気に襲われることもなく、
松本のコンビニにで行動食を調達。いつもなら、食料や行動食は事前に準備しきちんとパッキングするのだが、今回はそれができなかった。
やっぱりなんだかんだ、まだいそがしさが続いている。

本当は身体も頭も疲れて果てているのは、自分でもわかっている。
毎晩帰ってくると、食欲よりも睡眠欲が遥かに上まわり、睡眠を優先してばかりいた結果、
身体に変化が現れ始めた始末で。

情けない。。これではだめだと、食に気を付けようも、
なんだか食べる気もしないという、あまりよくないサイクルにはまっていた。



この夏、山を歩きたい。と春が訪れたころからずっと思っていた。
暑い時期は蜂が怖いので、クライミングは控えたい・・という気持ちがあったのは確かだけれど、
それよりも、壮大な景観を眺めながらの稜線歩きをもっともっと、やっておきたい、という気持ちが強くあった。
何のために、か。
それを見つけるために、かもしれない。

今回の予定は、新穂高温泉~双六小屋(泊)~双六岳~笠ヶ岳(泊)~新穂高温泉のルート。
槍・穂高の西側を歩いたことがなかったため、ずっと憧れていた。
そして今回は2泊3日。読みたい本を1冊持って、ゆっくりする読書山行、自分自身と向き合いたかった。


新穂高温泉の登山者駐車場に深夜到着、車の座席を平らに直して仮眠をとった。

朝5時30分。
たった2時間ほどしか寝ていないのにも関わらず、行動を開始できるという山ならではの不思議。
周りの車からは次々と登山者が出発している様子を見ながら、
私も朝食を済ませ、出発した。

雨かぁ・・・。
歩きはじめから雨が降っていると、なんだか憂鬱な気分になるけれど、
まぁいいか、いそいでもいそがなくても、もう濡れるのは濡れる、
のんびり行こう。

思えば、2泊3日テント泊山行をソロでするのは今回が初めて。
思った以上にずっしりと重く感じるザックは両肩に深く食い込む。歩きはじめ早々、橋を渡って林道を進むと人っ子一人、周りにはいなくなってしまった。
私以外の皆は、槍ヶ岳方面へとすすんだのか?急に一人でいることが不安になってきた。


*****
辺りは濃い霧に包まれ、視界がほとんどない。
しばらく進むと、涼しい風が吹き出る『風穴』の前で一人の男性が腰をおろして休んでいた。

風穴とは、大きな岩の塊が積み重なっているところから冷たい風がでているのだが、
どうやら冬の間にその積み重なった岩の隙間から冷気が地中深くまで入り込み地中の土が凍り、その凍った冷気が少しづつ出てきているのだそう。
地中の氷体は地上の気温の影響を余りうけないため、暑い夏でも、変わらず冷気がもれだしているそう。

休んでいた男性を見ると、長身で優しげな目をしたヨーロッパ系の外国人男性だった。


「こんにちは。今日はどちらまで行かれるんですか?」

「Oh... sorry, I can't speak Japanese...」

日本語、だめだったか。私は、日本で外国の人に話しかける時、まずは日本語で話しかける。
なぜならはここは日本だから。通じなければ、英語に切り替える。
そんなわけで英語に切り替えた。

「Oh, okay. Where are you heading?」

「You speak English, great. I'm heading to Mt. Sugoroku hut. How about you?」

「Me too. What a great wether, huh?」

「Indeed. Well, can I walk with you?」

「Sure. 」

という訳で、この彼と一緒に歩きだすことになった。

*****

なんて、ありもしない妄想をくりひろげながら、私は人っ子一人いない静まり返った林道を一人進むのでした。

それにしても、だれもいない。まるでこの世界には私しかいないような孤独感すら感じはじめた。


しばらく進むと、ようやく見えてきた、「ワサビ平小屋」。
ここでようやくひと気が出始め、内心ほっとした。
少し休憩しようか、と鉛のように重たいザックを下ろすと、
両肩がすっかり痺れてしまっていた。

大丈夫かな私。と、痺れた肩をそっと休めながら、まだ先の長い行程を地図で確認しながらそう思った。

沢をいくつか渡り、ひたすら歩くこと約5時間。
あと「5分」という看板の前で、男女4人のおじさまおばさまグループが
「1本入れるか」と腰を下ろしたところだった。

「“あと5分”て、どこまであと5分なのよね~。ちゃんと鏡平小屋がでてくるのかしら」

「こんにちは」と通り過ぎようとする私に、おばさまが「あら。ねぇねぇ、いいものあげる。」とザックから何やら箱を取り出し、箱いっぱいに詰められたミニトマトをひとにぎり、差し出してくれた。

明らかに採れたてと分かるその新鮮なミニトマトを有難くいただくと、
身体にすぅ~っとパワーが戻って来た気がした。新鮮な命が、私のパワーとなった。

私も一緒になって休憩したかったけれど、私にはまだ、鏡平小屋から約2時間の道のりが残っている。トマトのお礼を言って、歩き続けた。

少し登るとそこには鏡平小屋があった。
小屋の周りにはいくつも池が点在し、晴れていればきっと美しい景色が広がっているんだろうなぁと想像しながら、通過することにする。

雨は降ったり止んだり。
レインウェアを着たり脱いだりを繰り返しながら、結局雨だか汗だかわからないが全身湿っぽい。唯一乾いている靴の中の心地よさが、せめてもの救いだった。
そこからまた1時間ほど歩いた頃もう少しで、弓折岳の乗越かな、と思ったが足取りがどうも重くなってきたので、
木の下で休むことにした。

休んでいると、10人くらいの学生パーティーと、
自分の両親よりも少し上に見える御夫婦が、通り過ぎていった。

再び鉛のようなザックを肩に食い込ませ歩きはじめると、わずか2分もたたない程で、
弓折岳の乗越へ出てしまった。

「あともう少しでしたね。」
と、先程のご夫婦の奥さまからそう言われる。
「本当ですね、ここまで来てから休めばよかったです。」とちょっと恥ずかしくなりながらそう言葉にした。

なんでも、福島から来ていたそのご夫婦は銀婚の記念で、明日は双六から西鎌尾根をあるいて槍へ向かうそう。素敵だなぁ、と心温まりました。

短時間の間の2度目の休憩のため、私はお先に失礼し、
双六小屋へとつづく稜線を歩きはじめた。

晴れていたら、どんな景色だったんだろうと。雨と霧で視界は全くない中、そう思った。
でも。
足元には、数多くの草花が雨の恵みを喜んでいるかのように、こちらを向いて咲いていた。












雨は降ったりやんだり。時より激しく風に吹かれ、
「どうやってテントを立てよう。」とそれだけを考えて歩いていた。

実はこれまで幸運にも、雨が降る中テントを設営したことがなかった。
今日は確実に、雨の中テントを張ることになるだろう。
中が濡れたら、どんなに不快なまま一晩過ごすことになるのか・・・と、
うんうん唸りながら、一番濡れなくて良い方法を考え続けた。

すると、ふぅ~っと風がしずかになり、小鳥が鳴きはじめたと思ったら、
一気に視界が晴れ、なんと目の前に双六小屋が見えた。

神様は、見てくれているかもしれない、とそう思った。

 

先程までの暴風雨がまるでなかったかのように、雨は止んだ。
小屋での受付は後でさせてもらおうと、急いでテントを張りはじめた。

強風の中、四苦八苦しながらなんとかテントを設営し、小屋で受付を済ませた。
ついでに天気予報をチェックすると、翌日も、翌々日も雨マークだった。


テントに戻り、まずは濡れた服を全部脱ぎ、念のために・・と持ってきた綿のTシャツに着替える。
「乾いている」とは、なんと心地いいものなのだろう。と何度も何度も思った。

思えば、普段の生活で、身体が乾いている状態であることが普通だけれど、
それがいかに心地よく幸せなことか。
普段の当たり前は、山ではそうでもなく、だからこそ、普段の何気ない生活がとてもありがたく感じる。


肌触りの良い綿シャツに着替え、落ち着いたところでラーメンを作り、
身体が欲していた塩分ある食事を胃に納める。

横にごろりと横になり、待ちに待った読書タイム。再び強まってきた雨が激しくテントをたたいていたが、なんだかその音も心地良い。

午後18時。
止みそうもない豪雨に、翌日の行動をどうしようか悩み始めた。
テントの中で1日停滞、というのもありかもしれない。
雨の中撤収したらゼッたいにテントはびしょ濡れになるし、
それをまた笠ヶ岳で広げて、その中で寝るのは・・どう考えても不快でしかない。

ひとまず寝て、目が覚めたらその時決定しようと、寝ることにした。

目が覚めがたのは朝方2時。
変わらず強い雨が降り続いていた。よし、停滞しよう。こんな中、歩いてもしょうがない。と停滞を決め、再びシュラフへ戻る。
朝5時。辺りに人が歩きはじめた。どうやら、小屋泊をしていた登山者が次々と下山をしている様子。停滞を決めた私であったが、なんとなく下山していく方々の会話と強く降り続ける雨が気になった。

そこでふと、行きしなに渡った、傾いて崩れそうな橋のことを思い出した。
昨日から降り続く豪雨で、あの橋を渡れなかったらどうしよう・・。ふとそんなことが頭をよぎった。潰れたあんぱんを口に入れ、ゆっくりかみしめながらもう一度、地図を確認した。
よし。下りよう。私は下山へと気持ちを切り替えた。

また来よう。この縦走路へは、また来よう。と思いなおし、雨の中テントを撤収。
雨と霧でほとんど見えない双六小屋を後にした。



下山を決めたら話は早い。足早に登山道を下山した。

ふと歩きながら、昨日出合った、銀婚記念できていた御夫婦のことを思い出した。
どうしたかな。この天気だし、今日は小屋で停滞か、またの機会を願って下山か、
いずれにしてもこの雨の中西鎌尾根には進んでほしくないと、そう思った。

そんなことを考えていた時、奇跡が起きた。
鏡平小屋の手前の木道で、前からくる登山者が道を譲ってくださったので、
「どうもすみません。ありがとうございます。」と顔を上げると、
そこには、目を見れば心通じ合うくらい仲の良い友達が立っていた。

一瞬目を疑ったが、目をまんまるにして驚く彼女と偶然の再会の驚きと喜びを言いあった。
小さい島国とはいえ広い日本、たくさんの山が連立する中からこの北アルプス山域を選び、しかも
このルートをこの同じ日に歩いているなんて、
奇跡以外の何でもない。
山ではこんなこともあるから、おもしろいし、楽しいし。


憧れの縦走はできなかったけど、
また晴れた日に、あの稜線を歩きたいな。

山から戻ると、下界でのいつもの当たり前なことが、とても有難く便利に感じる。それに気付く度に、この気持ちを忘れないようにしたいな、と思う。
便利さに、うもれないように。