2013年4月9日火曜日

赤岳ショルダーリッジ左


9月に膝の側副靭帯損傷してから今シーズンは滑りを見合わせ、
氷と雪と岩の山に入門。

WoooWhooooo!!!!とか言いながら気持ちよく斜面を滑走するのとは正反対で、
真剣で緊張し黙々と登る冬の壁。
まったく異なる性格のものですが、それぞれが、それぞれ良い。

さて。
今回は赤岳ショルダーリッジ左へ。
9月に谷川へ一緒に行ったときに膝を怪我してしまったので、今回は絶対に怪我は出来ない!!ということで気を引き締めて行く。

前夜発し、八ヶ岳山荘のところでテント泊。翌朝5時ころ出発。寝不足と戦いながらのアプローチでした。

北沢はところどころつるんつるんで、神経を使いました。
ぱっと視界が開けて赤岳がどーんと目の前に。気持ちいい朝です。


行者小屋でギア類など装備を整え、文三郎道へ。
途中の赤岳主稜への取り付きの10mくらい下のところを左へ赤岳沢をトラバース。
「雪は安定しているけど、念のため間隔開けて来てね。」と言われ、ちょっと待ってから後を行く。
なんだか彼をみていると、父を思い出す。


ショルダーリッジは噂の通り、アンカーや中間支点もあまり信用できるものはなく、またラインも分かりずらいので緊張が続きますが、派手な尾根上をどんどん詰めていくため、ロケーションは最高、気分も良い!ただ、風が強い・・・。強風で体が吹き飛ばされそうになり、一瞬ヒヤッとしました。


目の前の状況を自分の目で確認し、どうすべきか解決方法を自分で考えながら進んでいく、この性格のクライミングは、非常に神経を使いますが面白い。
なぜならば答えは1つではないから。別にどこを登ってもいい。そこに”登山道”はないから。
目の前の岩壁を見つめ、ここ、と思ったラインが自分のラインであり、それに正しいも間違えもない。もともと決まっていないから。


岩は思ったほど浮いてなかったです。
最後の斜面も、数日前に振ってくれた雪のおかげでザクザク登ることができ、稜線に、
ひょこっと出ました。感動。

あの、稜線に出たときの感動とそこから見える景色は本当に格別で、強く脳裏に焼きつく。
そこで握手を交わす。私はこの瞬間が大好きです。
この場所に立てていることに嬉しさを感じ、胸がいっぱいになる。

あと何度、冬シーズンを楽しめるかって考えた時。そう何度もないことに気づく。
70まで遊ぶとしたら、あと約40年。と、いうことは、あと40回。
全部の冬を遊ぶとしてあと、たった40回。

いっぱい遊ばなきゃ。

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