ここは、私が雪山に登りたいと決めて始めてトレーニングに来た山であり、初めてからも登山のみでなく、アイスクライミングやバリエーションルートなどで、近年頻繁に通うエリア。
今回は、現在プロカメラマンとして活躍されている大学時代の先輩と、ご友人の写真家さんとの山行で、私にとってもとても新鮮でそして興味深い経験となりました。
早朝、テントを張っていた南沢小滝手前を出発、文三郎尾根途中で空が色づき始めました。
風はほとんどありませんでしたが、気温が異常に低かったように思います。
いつも持ち歩いている温度計を今回は忘れてしまったので何度かわかりませんでしたが、、。
12本アイゼンの前ヅメを使用しないと登れないくらいの急斜面になってきたころ、
ふと、なぜ私はここにいるんだろう。と自問していました。
こういった自問は、山に登っているとたまにふと、してしまうことがあります。そうして歩いていると、答えが見つかることがあります。
空が色づき始めこんな淡い彩のなんとも優しい画が目の前に広がった時、
あぁ、来てよかった。これだな。と心から感じました。
重くて大きなカメラを抱えたお二人。
冬の山々と朝日が見せる、なんとも言葉にならない美しい自然にレンズを向け、一瞬の色の変化も見逃さずシャッターをきっていました。
なぜ山に登るのか、は、人それぞれ目的や目標、想いが違うわけで、
普段は同じ方向を向いた仲間と山へ行くことが多いですが、
お二人を見ていたら、やはり芯の通った人はカッコイイなと感じました。
隣の尾根の向こうの現れたカモシカをじっと見つめ、その1匹のカモシカが、朝日に照らされた尾根まで上がるのをカメラを覗き込みながらじっと待つ。
私はカモシカではなく、そんなお二人に見入ってしまいました。
付けくわえますが、寒いんです。とっても。鼻の中がシャリシャリになるほど寒い中です。おそらく気温はマイナス10度を下回っていたはずです。
頂上では、猛烈な風が吹き、非常に寒かったです。
始めは何ともなかったのですが、途中から突然、息苦しさと吐き気がしてきました。
山であんな風になったのは初めてでした。普段ならなくても、体調の変化でなったりするのだとか。たしかに、年末に大風邪をひき、今回は病み上がり登山でした。
標高をおとすと気分は良くなりましたが手足の指先の感覚はなかなか戻りませんでした。
やはり体調管理は重要ですね。
家に戻りいつも寝ている布団に入った時、とても気持ち良くて、
前夜のテントの中で感じた寒さと背中の硬さと比べると、なんて快適なんだろうと、この上ない幸せを感じました。
でも、いつもこうして暖かくて気持ちいい布団で寝てたのでは、
あの美しい空を見ることはできない。
また、山へ行こう。と思いました。
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